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日々の花々

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手袋さん

いつもより40分早い通勤電車に乗る。ラッシュ時と違い、押しつぶされることない車内。ぼんやり車窓の外を眺めながら、音楽を聴く。立っているわたしの前に座る男性と女性の足元に黒い手袋が片方落ちている。

『これ、違いますか?』と鞄から黒い手袋が見えた女性に尋ねると首を横に振り、男性も同じ反応だった。

駅に降りたら改札の駅員さんに届けようと思い、その黒い手袋をたたもうとした時、持ち主が手袋を外した時の形になっていることに気づく。指の曲げたあとが柔らかく残っている。手首には細い水色のステッチが入った小学校高学年から高校生の男の子が持っていそうなものだった。

その手袋の持ち主は、片方の手袋がないことに気づいたとき、どんな気持ちなのだろう?まぁ、いいか、とか、どこに落としたのだろう?とあわてているのか?
本人にしかわからない。

わたしはプレゼントしてもらった手袋を片方なくしてから冬に手袋をしなくなった。なくしたことの後ろめたさや、二つそろったものがなくなる悲しさとか、色々。なんとなくポケットに手を入れてしのいでいる。

電車を降りて、黒い手袋を駅員さんに届ける。


『お目覚めですか?手袋さん。』
アラビアンリップという曲を思い出し、ちょっと口ずさんで、通勤路を歩いた。


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by hibinohanabananew | 2013-12-20 20:10 | 日々徒然
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